タイ最大（株価基準）の民間電力会社であるGulf Energy社は、2023年4月14日、タイの携帯キャリア最大手AISの親会社であるIn Houtch Holdingを買収する意向を表明しました。買収額は1,689億バーツと推定されており、7月までに完了する見込みです。

買収の背景：デジタル経済への進出

Gulf Energy社は、今回の買収について、「電子商取引とデジタル・プラットフォーム事業は成長しており、当社にとって、有望な新事業となる」とコメントしています。同社は従来の電力事業に加え、近年は積極的な新規事業投資を行っており、特にデジタル関連事業への進出に注力しています。

買収内容：株式公開買い付けによる81.07%の株式取得

Gulf Energy社は、4月16日時点でIn Houtch Holdingの発行済み株式総数の18.93%を保有しており、今回の買収により81.07%まで保有比率を高めることになります。買収方法は株式公開買い付けで、1株あたり37.5バーツで実施されます。

資金調達：借入と自己資金

Gulf Energy社は、買収資金の一部をタイ国内外の金融機関からの借入によって調達する予定です。現時点では、同社の現金保有額は160億バーツで、負債資本比率は2.4倍となっています。

買収の影響：タイのデジタル経済とGulf Energy社の成長

今回の買収は、タイのデジタル経済の発展を加速させる動きとして注目されています。Gulf Energy社は、AISの通信インフラや顧客基盤を活用し、新たなデジタルサービスを展開していくと予想されます。また、同社の電力事業とのシナジー効果も期待されています。

買収後の展望：電力会社から総合エネルギー企業へ

Gulf Energy社は、今回の買収により、電力事業だけでなく、通信事業やデジタル事業も手掛ける総合エネルギー企業へと脱皮することが期待されています。今後、同社の事業戦略や業績動向に注目が集まります。