タイのBLドラマのセリフの翻訳(映像翻訳)をしました。この仕事は、単発の仕事ではなく、全部で24話の翻訳をしました。1話の長さは約1時間です。12話が1シリーズになっており、2シリーズ全体で24話でした。 タイのBLドラマは、近年、大人気ですね。私は、登場人物の顔が自然な顔でない事が多く、「いかにも整形」という顔が多いのが好きではないですが。 タイのBLドラマのセリフの翻訳では、タイのテレビ局がセリフの英語版を提供し、英・日の翻訳者が英語から日本語に訳す事が多いので、タイ語翻訳者が呼ばれる事はあまりないのでが、今回は、日本側の制作会社の気まぐれで、タイ語翻訳者に声がかかりました。 セリフの翻訳に際して、最も苦労したのは、短く訳すことでした。話されている秒数に対応して、訳文の文字数の上限が決まっているのでが、これが短いのです。日本の英語の字幕の字数は、他国と比べて、圧倒的に短い気がします。 私が、今回の翻訳に際して、最も心がけた、頑張った点は、 「短い字数で、役者が話している内容を、できる限り網羅する」 「日本人にとって分かりにくい箇所、日本人ならそうは言わないと思われる箇所も含めて訳出する という点でした。 特に、2の点に関しては、他のタイのBLドラマのセリフでは、「日本人にとって分かりにくい箇所、日本人ならそうは言わないと思われる箇所」は全て省略して、おとなしい訳文になっている事が多いのです。タイ人は、日本人から見るとえげつないこと、皮肉っぽい事を言うことも多いのですが、これらのセリフを省略すると、タイドラマの最も面白い部分、タイドラマ特有の魅力がなくなってしまうと私は思っています。 タイのBLドラマとは? タイのBLドラマ(Boys’ Loveドラマ)とは、タイで制作されたテレビドラマの一種で、主に男性同士のロマンティックな関係や友情を描いたものを指します。BL(Boys’ Love)は、もともと日本のマンガやアニメから始まったジャンルで、男性同士の恋愛を中心に扱います。 タイのBLドラマは、特に若い世代の間で人気があり、国内外で広く視聴されています。これらのドラマは、恋愛の物語だけでなく、友情、家族関係、社会的な問題なども扱っています。通常、感情的なドラマや甘いロマンス、時にはコメディ要素を含んでおり、視聴者に様々な感情を呼び起こします。 タイのBLドラマは、多様なキャラクターや独特なストーリーラインによって、国際的なファンベースを築いています。このジャンルは、性的マイノリティに対する社会的な認識や受容を高める役割も果たしていると考えられています。 タイのBLドラマの代表的な作品 「2gether: The Series」 – 2020年に放送されたこのドラマは、タイBLドラマの中でも特に人気が高い作品です。物語は、大学生のタインとサラワットが偽の恋人関係を始めるところからスタートします。最初は演技だけの関係だったが、徐々に本物の感情が芽生える様子が描かれています。 「TharnType: The Series」 – このドラマは、ルームメイトとして出会ったTharnとTypeの物語を描いています。Typeは当初、ゲイであるTharnに対して偏見を持っていましたが、次第に二人の間に深い絆が形成されていきます。このシリーズは、そのリアリスティックな感情表現とキャラクターの成長が評価されています。 「Love by Chance」 – 2018年に放送された「Love by Chance」は、偶然の出会いから始まるエースとティンのロマンスを描いています。このドラマは、キャラクター間の複雑な関係と心温まるストーリーラインでファンの心を掴んでいます。 「SOTUS: The Series」 – 大学のシニアとフレッシュマンの間の関係に焦点を当てたこのドラマは、学校での伝統的な先輩後輩の関係を背景にしています。主人公のアートィットとコンプーンが、当初の対立から徐々に互いに理解し合い、深い関係を築いていく様子が描かれています。
タイ語翻訳業務の実績